冬の請求の通知を見て、「先月より何千円も高い」と驚いた人は多いと思います。
寒いのを我慢する節約はつらいので、できれば手間の少ない方法で下げたいところです。
このページでは、冬に電気を使う量が増える理由を整理し、効果の大きい節約を金額で比べました。
電気代の金額の目安は、冬の電気代の平均の記事で紹介しています。
結論:冬に増えるのは、おもに暖房の電気
冬の1日に家庭で使う電気のうち、約33%が暖房です(資源エネルギー庁)。
これに、家にいる時間の長さと日の短さが重なり、電気を使う量が増えます。
節約でいちばん効くのは、暖房の使い方を少し変えることです。白熱電球や蛍光灯が残っている家なら、照明も見直しましょう。
一方で、電球1個をこまめに消すような節約は、手間のわりに効果が小さめです。
なお、この冬は電気の単価そのものも上がっています。
使う量が同じでも、去年の冬より請求が高くなる点に注意してください。
冬に電気の使用量が増える5つの理由
1. 外との温度差が大きく、暖房の負担が重い
エアコンは、外と部屋の温度差が大きいほど、多くの電気を使います。
たとえば、夏に外が33℃で部屋を27℃にするなら、差は6℃です。
冬に外が5℃で部屋を20℃にすると、差は15℃になります。
同じエアコンでも、冬のほうが電気を多く使いやすいのはこのためです。
2. 在宅勤務や休みの日で、家にいる時間が長い
家にいる時間が長いほど、暖房と照明を使う時間も延びます。
週に何日か在宅勤務がある人は、昼間の暖房のぶん、出社の日より電気を多く使います。
年末年始の休みが入る12月〜1月は、とくに増えやすい時期です。
3. こたつや電気毛布を、エアコンに足して使う
暖房の電気(約33%)の内訳は、エアコンが約17%、電気ストーブが約3.8%、こたつが約2.1%、電気カーペットが約1.8%です。
エアコンをつけたまま、足元の暖房を足すと、そのぶん電気が増えます。
どの暖房器具が安いかは、器具ごとの電気代を比べると分かります。
4. 日が短く、照明をつける時間が長い
東京の場合、冬至の昼の長さは、夏至より5時間ほど短くなります。
冬の1日に家庭で使う電気のうち、照明は約9%です。
夕方の早い時間から照明をつけるため、そのぶん使う時間が長くなります。
5. 電気でお湯をわかす家は、水が冷たいぶん電気が増える
エコキュートや電気温水器の家では、冬は水が冷たく、お湯をわかす電気が増えます。
冬の1日に家庭で使う電気のうち、給湯は約13%です。
ガスでお湯をわかす家(賃貸に多い形です)は、この増え方はガス代のほうに出ます。
冬の1日、家の電気は何に使われている?
| 使い道 | 割合 |
|---|---|
| 暖房 | 32.7% |
| 冷蔵庫 | 14.9% |
| 給湯 | 12.6% |
| 照明 | 9.2% |
| 炊事 | 7.8% |
| 待機電力 | 5.5% |
| テレビ・DVD | 4.2% |
| 洗濯・乾燥機 | 2.2% |
| パソコン・ルーター | 0.9% |
| 温水便座 | 0.6% |
| その他 | 9.4% |
いちばん大きいのは暖房で、次に冷蔵庫、給湯、照明と続きます。
冷蔵庫は1年中動いているため、冬だけ増えるわけではありません。
冬に増えるぶんの多くは、暖房と照明です。
つまり、この2つの使い方を見直すのが、いちばんの近道です。
出典:資源エネルギー庁「[冬季の省エネメニュー(ご家庭の皆様)](https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/media/data/2025_winter/syouenemenu_katei02.pdf)」(2025年10月発行)の「家庭における電気の使用割合(冬季の1日間)」節約の方法を、効果の大きい順に
次の表は、資源エネルギー庁が公表している「1日の家庭の電気に対する省エネ効果」を、冬の3か月(12月分〜2月分)の金額にしたものです。
一人暮らしは3か月で約720kWh、2人暮らしは約1180kWhを使うとして計算しています。
【用語】kWh:使った電気の量/燃料費調整額:燃料の値段で毎月上下する料金/A:契約の大きさ(アンペア)| 節約の方法 | 一人暮らし | 2人暮らし |
|---|---|---|
| 不要な照明をすべて消す | 約1,160円 | 約1,900円 |
| 重ね着をして、エアコンの設定温度を22℃から20℃に下げる | 約700円 | 約1,140円 |
| リビングや寝室の照明を少し暗くする | 約390円 | 約630円 |
| 冷蔵庫の設定を「強」から「中」にする | 約390円 | 約630円 |
| テレビの明るさを下げ、見ていないときは消す | 約260円 | 約420円 |
| こたつを使う時間を半分にする | 約260円 | 約420円 |
| 電気カーペットの温める面積を半分にする | 約230円 | 約380円 |
| エアコンのフィルターを掃除する | 約210円 | 約340円 |
| 窓に厚手のカーテンをかける | 約210円 | 約340円 |
この表の前提(家電の種類と使い方)
この表の割合は、資源エネルギー庁が「1日の家庭の電気の使用量に対する省エネ効果の概算値」として公表しているものです。
ただし資料には、もとにした家庭の家電の種類(照明がLEDか蛍光灯か、エアコンの大きさなど)や、使う時間は書かれていません。
つまり、この表は「平均的な家庭なら、このくらい」という目安です。
同じ節約でも、家にある家電と使い方で、効果は大きく変わります。
- 照明:LEDは、同じ明るさの蛍光灯や白熱電球より使う電気がずっと少なく、消したときに減る電気も小さくなります。家の照明がほとんどLEDなら、表の金額より小さいと考えてください
- エアコン:部屋の広さ、エアコンの古さ、断熱、使う時間で変わります。在宅勤務で長く使う家庭ほど、効果は大きくなります
- こたつ・電気カーペット・冷蔵庫・テレビ:その家電を使っていない家庭では、効果はありません
自分の家の効果を知りたいときは、下の家電ごとの数字(機種と使い方の条件つき)も参考にしてください。
金額の計算に使った単価について
この記事では、1kWhあたり約36円で金額にしています。
10エリアの地域電力の、12月分からの電力量料金(120〜300kWhの段階)に、最新の燃料費調整単価と再エネ賦課金を足した平均です。
節約の記事でよく見る「1kWhあたり31円」は、業界団体が2022年に決めた目安の単価です。
今の単価はこれより高いため、31円で計算すると、節約の効果が実際より小さく見えてしまいます。
エアコン
エアコンは、暖房の電気のなかでいちばん大きな部分です。
設定温度を1℃下げるだけでも、ひと冬で目に見える差になります。
| 方法 | 条件 | 1年で減る電気 | 金額の目安 |
|---|---|---|---|
| 設定温度を21℃から20℃に下げる | 2.2kWのエアコン、外の気温6℃、1日9時間 | 53kWh | 約1,900円 |
| 暖房を使う時間を1日1時間短くする | 設定温度20℃、1日9時間から8時間に | 41kWh | 約1,460円 |
| フィルターを月に1〜2回掃除する | 目詰まりしたままと比べた場合 | 32kWh | 約1,150円 |
上の表との違いは、前提の使い方です。
上の表は家庭全体の平均から出した値で、この表はエアコンを1日9時間使う場合の値です。
在宅勤務などでエアコンを長く使う家庭は、この表の金額に近くなります。
出かける前や寝る前は、15〜30分ほど早めに暖房を切っても、部屋の暖かさはしばらく残ります。
サーキュレーターで天井にたまった暖かい空気を回せば、低めの設定温度でも暖かく感じられるでしょう。
一方で、短い外出のたびにこまめに消すのは、おすすめしません。
エアコンは、部屋を暖め始めるときにいちばん電気を使うためです。
窓と部屋の熱
部屋の暖かさは、窓から多く逃げていきます。
厚手のカーテンを床まで届く長さにすると、暖房の効きがよくなります。
賃貸でもできる方法なので、最初に試しやすい節約です。
こたつ・電気カーペット
こたつや電気カーペットは、使い方で差が大きく出る家電です。
電気カーペット
| 方法 | 条件 | 1年で減る電気 | 金額の目安 |
|---|---|---|---|
| 設定を「強」から「中」にする | 3畳用、1日5時間 | 186kWh | 約6,670円 |
| 3畳用ではなく、広さに合った2畳用を使う | 設定「中」、1日5時間 | 90kWh | 約3,220円 |
こたつ
| 方法 | 条件 | 1年で減る電気 | 金額の目安 |
|---|---|---|---|
| 設定を「強」から「中」にする | 1日5時間 | 49kWh | 約1,750円 |
| こたつ布団に上掛けと敷布団を合わせて使う | 1日5時間 | 32kWh | 約1,160円 |
電気カーペットは、設定を「中」にするだけで、ひと冬で大きな差になります。
下に断熱マットを敷くと、床に逃げる熱を減らせます。
お湯(電気でわかす家だけ)
エコキュートや電気温水器の家は、お湯の使いすぎがそのまま電気代になります。
シャワーの時間を短くし、家族は間をあけずにお風呂に入ると、追いだきの電気を減らせます。
照明
資源エネルギー庁の資料では、不要な照明をすべて消すと、1日の電気の約4.5%が減るとされています。
ただ、照明の効果は、使っている照明の種類で大きく変わります。
| 照明の変え方・使い方 | 条件 | 1年で減る電気 | 金額の目安 |
|---|---|---|---|
| 白熱電球をLED電球に替える | 54W→7.5W、年2,000時間 | 93kWh | 約3,330円 |
| 蛍光ランプをLED電球に替える | 12W→7.5W、年2,000時間 | 9kWh | 約320円 |
| LEDシーリングライトを1日1時間早く消す | 34Wの照明器具 | 12kWh | 約440円 |
| LED電球を1日1時間早く消す | 7.5Wの電球 | 3kWh | 約100円 |
白熱電球が残っている家なら、LEDに替えるだけで大きく減らせるでしょう。
すでにLEDの家では、照明を消す節約の効果は小さめです。
照明の値は、政府広報オンライン「[節電・省エネ](https://www.gov-online.go.jp/article/202208/entry-9897.html)」(資源エネルギー庁の資料をもとにした値)です。 エアコン・電気カーペット・こたつのkWhは、資源エネルギー庁「[無理のない省エネ節約(空調)](https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/airconditioning/index.html)」の値です。「1年」は暖房を使う期間の合計です。やらなくていい節約(手間のわりに効果が小さいもの)
節約は、効果の大きいものから手をつけるのが近道です。
次のものは、手間のわりに減る金額が小さめです。
| 節約の方法 | 一人暮らし(冬の3か月) | 2人暮らし(冬の3か月) |
|---|---|---|
| 洗濯物をまとめて洗う | 約80円 | 約130円 |
| 温水便座のふたを閉め、使わないときは切る | 約50円 | 約80円 |
LED電球1個(7.5W)を1日1時間早く消しても、減るのは1年で約2.7kWh(約100円)にとどまります。
気になったときに消す程度で、かまいません。
コンセントを抜いて待機電力を減らす節約は、やり方しだいです。
待機電力は合わせて冬の1日の電気の約5.5%あり、小さくはありません。
ただし、Wi-Fiのルーターや録画機のように、抜くと困る機器も含まれます。
毎回差し直す手間を考えると、長く使わない家電だけ抜くのが現実的でしょう。
使い方を変えずに下げる方法
使い方の節約とは別に、契約を見直す方法もあります。
こちらは一度手続きをすれば、毎月の我慢なしで続きます。
- 契約アンペア:一人暮らしで40Aのままなら、30Aに下げると基本料金が下がるエリアがあります
- 電力会社:同じ使い方でも、電力会社を替えると安くなることがあります
エリアごとの安い電力会社は、使用量別のランキングで比べてみてください。
北海道・東北・東京・中部・北陸・関西・中国・四国・九州・沖縄
よくある質問
冬の電気代が、先月の倍になりました。使いすぎですか?
秋から冬にかけて、使用量が1.5〜2倍に増えるのはよくあることです。
金額ではなく、明細の使用量(kWh)で、世帯人数の目安と比べてみてください。
目安の数字と確かめ方は、冬の電気代の平均の記事で紹介しています。
エアコンと電気毛布、いっしょに使うのはムダ?
ムダではありません。
寝るときはエアコンを切って電気毛布だけにするなど、時間で使い分けるのが効果的です。
電気毛布は、エアコンよりずっと少ない電気で体を温められます。
器具ごとの電気代は、暖房器具の電気代の比較で紹介しています。
まとめ
- 冬の1日の電気のうち、約33%が暖房です
- 温度差・在宅時間・暖房の足し使い・日の短さ・お湯の5つで、使う量が増えます
- 効果が大きいのは、エアコンの設定温度と電気カーペットの設定です。照明は、白熱電球や蛍光灯が残っている家ほど効きます
- 電球1個をこまめに消すような小さな節約より、大きいものから手をつけるのが近道です

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